2007年02月22日

愛の流刑地

久々の映画ブログ更新。
どうしてもこの映画の感想を書きたかったので、つい。
えーっと、がつんがつんとネタバレです。
見るつもりが一応ある方は読まないで下さいね。

くだらないであろう映画を観て笑い飛ばそうという意図でいき、
本当にくだらなくて大笑いできました。
そういう意味では面白かったですが、正統派に面白い映画を観たい人、
特に女性にはオススメしませんわ。ちょっとね、どうかと思う。

全部原作が悪いんだと思うけど、ちょっと女舐めすぎよね。
よくまあこんな恥ずかしげもなくエロ作家の妄想をさらけ出せるね。
だってさあ、売れない恋愛作家にファンの女が
「恋の墓標」に感動しました、って目を輝かせて近づいてきて、
(「恋の墓標」ってタイトルに既に笑いそうだったが、
しかも18歳女子高生が男を次々と手玉に取る話らしい。ある意味読みたい)
で、次会った時は何故か雨の日に雨の中で激しいキスをし、
次では既にホテルにいる。「京都の景色が綺麗だよ」って部屋に誘って
いきなり襲う男も男だが、そんなこと予想できてのこのこついていった女が
「辞めてください」と拒否してから「浴衣に着替えていいですか」、
挙句の果てには「こんなことは嫌かい?」「・・・お任せします」

悪いが女はそんな簡単ではないぞ。和服フェチのエロ作家の妄想世界に
2時間つきあってしまった。あほらし。だからこそ笑えるのだが。

そして二人の愛し合う声は男により録音されている。
「これは何?」と女は聞く。「愛の記録だよ」男は言う。
笑いを必死でこらえた。正直辛かった。

その後、情事の果てに女を殺してしまう男。
裁判では、事件当夜のその録音テープが焦点となる。
そんな、普通ありえない変態な証拠があるって時点で非現実的だが、
検事に「どうしてこれを録ったんですか?」と至極まっとうな質問をされた男は、
「いや、ちょっと、とりたかったから」
えーっと、そこで素に戻るのやめてください、トヨエツさん。
本気で噴き出しそうだった。

と、「愛の記録」がらみではツボにはまりまくり爆笑寸前だったし
実際映画が終わったとたん友達と爆笑に至ったのだが。
ま、それ以外でも素で、「都合いいなー」とか思ってしまった。
娘とかさ。愛人を情事の果てに殺してさ、18歳の娘が面会に来て
「お父さん、大丈夫?」って泣くわけないっての。
絶対死ぬまで無視だよね。縁切るよね普通。いくらトヨエツでも切る。
そういうところが、なんかすごく都合がいいというか、美談すぎというか、
「つうかそもそも愛してたら何でも許されるんですか?」と
声を大にして問い詰めたい心境になってしまったりして。

そもそも寺島しのぶに全く共感できないのが痛いね。
悪いけど、ぜんっぜん理解できなかった。
「死にたくなるほど人を愛したことが無いんですか!!」って
トヨエツに怒られるところだけど、ええ、ありませんよ、だから?と
逆に問いたいね。つうか、エッチしてて俺は死ぬほど女を
悦ばせてるぜ、だって彼女は微笑みながら死んでいったんですよ、って
俺ってすごい、的なまたこれ都合いい妄想じゃないですか。
つうか、そんなことじゃ死なんよ。女はもっと貪欲で現実主義だよ。

普通だったら子供3人連れて転がり込まれてもおかしくない展開で、
自ら女が死を選ぶってことはつまり、生活感のある女には
エロス感じないってことでしょう?現実に戻りたくないんでしょう?
そんな都合いいところで死んでくれる女なんて、まさに妄想だよな。

と、これは多分ほぼ全部が原作の感想になるんだろうな。
映画の感想じゃないんだろうな。とは思う。
そんなくっだらない原作をコンパクトにまとめて映画化して、
それなりの映像でした。そこは評価してもいいかな。

キャスティングもおおむね正解だけど、
(主役はトヨエツより佐藤浩市がよかった、が、きっと断ったんだろう)
陣内孝則だけは使い方を間違いましたね。あの人ああいう真剣な役をやると、
それだけで笑いとってしまうからな。笑いとっていいところでいさせてやってね。
おかげで登場シーン全てで笑いをこらえる羽目になりましたわ。

寺島しのぶより長谷川京子の方がエロかったのは何の演出ですか?
監督の趣味?谷間くっきり胸元にミニスカな検事。コスプレですか。
つうか思ったより巨乳だし、色っぽかったわ。
演技はまだまだやと思うけど、役によって雰囲気は変えられる
女優さんなので、実はけっこう好きだったりして。綺麗やわー。
それにしても佐々木蔵之介、役得でしたな。
posted by ざれこ at 02:04| Comment(4) | TrackBack(1) | タイトル別−あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
共感しましたので一言。
映画見てないんですが新聞に連載してたときにリアルタイムで読んでました。まぁ、後半はあきれて読むのもおっくうって感じにはなってたんですが・・。この作品の(映画にしても、本にしても)どこが評価されているんでしょう?女をバカにしてるってのが第一印象でしたがあんな身勝手な生き方が正当化されるっていうか物語として成立するってのが納得できないわ。ただのエロ小説と呼ばれないのは作者の今までの評価があるからなのかな?シゴトとはいえ出演された役者さんお疲れ様でした。
Posted by ヒソカ at 2007年03月26日 18:19
初めまして。
映画も小説も現物は知らないのですが、ネットであらすじを拾い読みしてました。やはり大笑いものでしたか。いっそ作家本人が主人公を演じれば潔いのに。
『恋の墓標』とやらは彼の初期の作品『阿寒に果つ』のことでしょう。出身高校での実体験に基づいているようです。ファム・ファタール的少女に振り回されるという「他者性」との出会いは、現在では見る影もないです。
ちなみに出身高校同じなので、舞台がまざまざ頭に思い浮かんできました。美術部の部室とか。
Posted by Ozlem at 2007年05月12日 19:21
素晴らしい感想です。
わたしたちが言いたいこと全部入ってます。
おかげですっきり致しました。
Posted by とげ子 at 2014年06月06日 10:58
日経新聞に連載されていた時、リアルタイムで読んでいましたが、これのどこが愛と呼べるのだろう、ただの欲望ではないかと、二人の心情と行動を理解できずにいました。

しかし数年経ち映画を観て、全く違う感想を持っています。それは原作と映画の違いからくるものではなく、私自身が変わったからなのです。
私は一年ほど前から不倫をしています。だから冬香の心情が痛いほどわかるのです。
もっともっと愛されたい、しかし愛が大きくなるほど苦しみも大きくなる。こんなに幸せなのだからもうどうなってもいいという投げやりな気持ちと、このままではいつか多くの人を傷つけてしまうという不安な気持ちが錯綜する毎日。
故渡辺淳一さんの傑作だと思います。
Posted by いちご at 2014年08月13日 22:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

寺島しのぶフランス人と結婚
Excerpt: 女優の寺島しのぶがアートディレクターのローラン・グナシアさんと結婚したと5日、寺島さんの所属事務所が発表した。2月26日に婚姻届を出した。グナシアさんはフランス人で、東京で活動している。 らしい。 h..
Weblog: 世界萌え萌え旅日記
Tracked: 2007-03-05 16:10
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。