2006年07月03日

大停電の夜に

大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産)


大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産)
  • アーチスト: 豊川悦司


  • 価格: ¥ 3,668 (26% OFF)


  • 発売日: 2006/05/12


  • 売上ランキング: 603


  • おすすめ度 5.0






クリスマスイブ、東京。こない人を待ってひっそりと営業を続けるジャズバーの最後の日、
そして、東京に住む人たちがいつもどおりのクリスマスイブを過ごし、
NASAはいつもどおりサンタクロースを追跡するはずの、そんなイブの日、
東京で大停電が発生する。電気が全て消え、エレベーターは止まり、地下鉄も止まり、
大渋滞が起こる中、人々のドラマは動き始める。
「こんな日だからこそ、できることもあるんじゃない?」そんな一夜の物語。

いやあ、いい映画でしたわ。これを観た翌日に確か「NANA」を観てしまって、
そして「NANA」をけちょんけちょんにけなす羽目になりました。「NANA」の俳優達は
ほとんどがなってなかったけどさ、この映画ではどの人も適材適所、
それぞれ、そこにいて当然のようにいるわけです。皆があまりにしっくりなじんでいて、
唯一惜しかったのは中国人って設定なのにあまりに日本語が堪能すぎた
ホテルマンくらいかなあ。全員の演技がすごく良かったのです。



群像劇というかなんというか、たくさんの人がそれぞれのドラマを抱えて、停電を迎える。
不倫を清算したばかりの女はエレベーターに閉じ込められるし、
閉店間際のジャズバーでは男はいつものようにウッドベースを磨き誰かを待っているが、
停電で向かいのろうそく屋の女の子と仲良くなり身の上を話し、
刑務所から出てきた男は昔の女に会いに行きその女が産気づいて病院に運ぶが、
地下鉄が停電で止まり、いきなり父親の秘密を聞かされた男は不倫相手と別れて
妻の下へ帰るが、妻もそわそわしている・・・。
もうあっちもこっちも大変で、特に田口トモロヲは盛りだくさんだな、
なんて思いつつ観てたけど、あれもこれもがどんどんつながっていく脚本は
見事としか言いようがなくて。
停電のどさくさで一瞬出会った人達はこれだけのドラマを抱えてて、
でもその人のドラマの一瞬に、誰かのドラマが交錯していって、っていう
その過程がすごく良かった。
どんなに平凡だと思ってたって、誰もが何かを抱えて生きてるんだよな。
いいよな、そういうの。



ジャズバーが舞台の一つだからかジャズがとても効果的に流れて、
なんか音楽だけとると全然邦画っぽくなく、すごい洒落てました。
サントラ欲しいくらい良かったなあ。音は。
それがとても粋な雰囲気を作り上げてたんだと思います。
あと、ろうそくたち。停電でろうそく、って、何かステキです。何もすることがなくなって、
ろうそくの周りに集いながら、つい、何か自分の話をしてしまう。そういう温かい空気が
全編漂ってて、すごく良かったなあ。



トヨエツがベースを弾くシーンもすごく良かった。音楽をなまじっかかぶってるもんで、
役者が楽器弾くまねとかしてるとすごい気になってしまうんだけど、
さすが、研究してますね。自分で弾いてないだろうけど、動きが自然で、かっこよかったなあ。
あと、個人的には原田知世がとても好きなのですが、とてもよかった。
しかし、夫に「転勤する」と聞かされて「ニューヨークとか?」と冗談めかして言うだけで、
彼女の人生がぱあっと浮かんでしまうその脚本、すごいとしか言いようがないな。
それぞれの出番も台詞も少ないんだけど、全員の人生の重みをしっかり感じる、
すごい映画でした。



クリスマスの時期に観たら、盛り上がれたんだろうなあ。
いいクリスマスだなあ。サンタさんも、ちゃんときてくれるしね。

posted by ざれこ at 01:31| Comment(1) | TrackBack(1) | タイトル別−た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとう。
うーん、そうか。
僕は、「有頂天ホテル」もそうだったけど、群像劇というのが、ちょっと、苦手ですね。一組であれば虚構を楽しめるんだけど、群像のエピソード連関が、どうしても、ご都合主義に思えてしまう。観客としては、損な性格だ(笑)
Posted by kimion20002000 at 2006年08月02日 01:21
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