2006年05月29日

メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ 通常版


メゾン・ド・ヒミコ 通常版
  • 発売元: 角川エンタテインメント


  • 発売日: 2006/03/03


  • 売上ランキング: 54064








最近、売れた本が映画になるようなことが多くなって、本7割映画3割の生活をしている
私にとっては、ストーリーを知ってる映画ばっかり観ることになったり、
映画を先にみてしまうか本を先に読むか悩んだりしてしまっている。
で、本が先にある映画はだいたい、無理がある。面白い映画もそりゃあるけど、
2時間で収まらない原作を無理に2時間にしたりするもんだから、はしょったりするし、
結末違ったりするし、映画だけだったらこの結末でも良かったりしても、
なまじっか原作があると、原作のほうが良かった、だの、そんな邪心で見てしまうから、
なんだか純粋に楽しめない。

やっぱりオリジナル脚本がいいよね。映画を作ろうと思って、それで書く、脚本。
2時間でちょうど良くて、心地いいよね。



と、そんなことを思った「メゾン・ド・ヒミコ」。
犬童一心監督と渡辺あや脚本は、前作「ジョゼと虎と魚たち」でも、
映画なりのよさを出すのに成功してたと思う。原作はあるけど、短編だから、
話を2時間分に膨らませて、そこに映画なりの音とか台詞とか役者の表情とか、
(下世話に言うとヌードまで)のせていって、一つの作品として完成させて、すごく良かった。
今回は完全なオリジナル。だからとても、心地よかった。



伝説のゲイバー「卑弥呼」のママ(男)が引退して、ゲイ専門の老人ホームを作る。
ママの愛人の美しい顔の男が、ママの娘を迎えに行く。
金を払うから週に1回だけ、手伝いに来てください。
娘は自分を捨てた父を憎んでいたが、手伝いに行ってしまう。
最初はオカマ全員を毛嫌いしていた娘だったが、徐々に彼らになじんでいって・・



こう書くとなんだかただのいい話みたいなんだけど、なんか違うんだよね。
ゲイの人はゲイとしてしか生きていけない。家族を取るか、生きたいように生きるか、
究極の選択のすえに自分に正直であることを選んだ彼らは、そのためにとても孤独。
家族である娘の視点と、ゲイである彼らの視点が交錯して、娘の
「わかるようで、わからない」感じが、すごく切なかった。
ゲイの人がバカにされてあれだけ怒れるように変わった娘も、
父とのわだかまりは、溶けないのか?
簡単にわかりあわないのが、切なくて、辛くて、リアルだった。



オダギリジョー演じるゲイの青年と心が通じ合っていく様子もむちゃくちゃ切なくて、
(あの、無音のキスシーンは切なかった・・・)
だしみたいに出てくるセクハラ専務が西島秀俊で、妙にいい男で、
彼との変な三角関係もなかなか複雑で。
男二人がほんま色っぽくて、娘の色気のなさがまた際立ってたりして。
柴咲コウってなんであんなに色気ないんだろね。余談やけど。



なんか、ゲイの人たちのほうがよっぽど、色っぽかった。
女がめんどくさがってやってる「トイレでの化粧直し」が夢だったの、なんていうゲイの人たちは、
切ない。代わってあげたい。自分が自分であるだけでありのままの自分じゃいられないって、
どんな気持ちだろう。どうしてありのままでいたらあかんのやろう。
彼らはだから、私よりよっぽど女らしいのだ。申し訳ないくらい。



そんな彼らと娘のつながり、そして近所の男の子達とのつながり、そんなものたちで、
ほんの少しだけだけど、彼ら達と私たちを隔てた何かが、少し埋まる気がした。
そのほんの少しさが、無理がなくて、心地良かった。



皆で踊るシーンとか、ピキピキピッキーってやるところとか、
みんなで歌を歌うところとか、すごく好きだったな。



ラストもすごく好きだった。すごくいいシーンで。
あとでじわじわと泣けてくるような、そんな暖かさに満ちた、映画。
とてもいい映画。あーあ、DVD返すのが惜しい・・・。また観たいな。



柴咲コウがブスっぽいメイクしてて本当にブスになっててびっくり。
あの人はいくらメイクしてもきれいだと思ってたよ。すごいな化粧って。
私でも超美人になれるかもしれん。・・・それは勘違いだから置いておくけど、
柴咲コウはブスメイクでも他のどの映画よりもかわいい人でした。



しかしなにをおいてもオダギリジョー色っぽすぎ。三浦しをんじゃないけど、
「シャツがイン!なのにカッコいい!」と叫びたいね、私も。もう大好きだー。
西島さんもよく出てるねえ。冷酷な殺人鬼もセクハラ若専務も、
同じテンションでこなしてんのにどっちもちゃんとそう見えるんだから、すごいわ。
田中泯の存在感がまたすごくて、色っぽくて、いいお父さんだった。
役者が全員うまくそこに存在してて、それもとても心地よかったです。

posted by ざれこ at 01:58| Comment(2) | TrackBack(3) | タイトル別−ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございますー。観ましたか! ついに観ましたか!!(大げさ?)

柴咲のブスメイク、ホントにすごいね。CMとかで見ると信じられない。でも柴咲だったなあ、と思っております。これが女優の器? とか考えたりしますね。でも、あの不細工さがまたいい。好きになりました。

やさしくしたいのに残酷になってしまう。たぶんあんなに複雑な人間関係じゃなくてもありうることで、人間って切ないね……と思います。

にしても、オダギリ。ずるい。あの後姿は、お尻は、ずるい。
Posted by Shimako at 2006年05月29日 08:48
shimakoさん
ついに観ましたよ!(大げさ?)良かったですほんま。
柴咲コウは化粧もブスでしたが、内面から出てくる性格ブスっぷりが顔に出ているようなブスで、いい演技するなあと思いました。でも、かわいかった。
なんか切ないし安易に救わない感じの映画でしたけど、だからこそ残るものがありましたね。
オダギリの尻・・・・。(うっとり)そういや尻ばっかりうつってたなあ。
Posted by ざれこ at 2006年05月31日 09:42
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